自動車が公道を走るためには、ナンバーが付いており車検期限内の車でないといけません。車検切れの自動車を車検を受けるために陸運局に持ち込もうとする場合、その車をそのまま運転していく事はできません。そのため、その自動車を車両積載車に載せていくか、赤ナンバーを付けて回送するという方法をとります。
赤ナンバーは大きく分けて2種類のものがあります。
自動車臨時運行許可(仮ナンバー)
仮ナンバーはナンバープレートに斜めの赤線が入ったもので、1回限りで使用できるナンバーです。これは、未登録の自動車や車検が切れてしまった自動車を陸運局まで回送(自走)するために使います。用途は検査・登録(新規登録・新規検査・継続検査・予備検査)など使用目的が限られており、使用できる期間も2日程度と短くなっています。
手続きは市役所で受け付けているところが多いと思います。
必要書類を持参の上、市役所で申請して仮ナンバーを受け取ります。そして使用が終わったら仮ナンバーを返却する必要があります。
このように、その都度ナンバーを借りるので「臨時」運行許可なのですが、回送が頻繁に発生する場合はいちいち仮ナンバーを手続きするのは非効率です。そこで複数回使用できる赤ナンバーが次の「回送運行許可」です。
回送運行許可(通称:ディーラーナンバー)
「回送運行許可番号標」はナンバーの周りが赤線で囲まれているもので、通称は「ディーラーナンバー」と呼ばれています。これは自動車販売・整備・製作の事業者が回送運行の許可申請を行い貸与を受けるもので、赤の斜め線の仮ナンバーとは異なり、複数回使用できます。
手続きは陸運局(運輸支局)で行います。
回送運行許可申請
第一段階として回送運行許可申請をします。この申請の中で管理者を決め、社内取扱内規を制定し、研修計画を立て、運行予定を立てる、など各種必要事項を盛り込みます。
許可期間は最大5年間ですが、終了の月日は11月30日で決まっていますので、申請時期によって最大の許可期間が変わってきます。この申請が許可された場合は、許可書が発行されます。
貸与申請
次に回送運行許可番号標の貸与申請を行います。許可を受けた回送運行許可申請に基づきナンバーの貸与を受ける手続きです。この申請時にナンバーに対して自賠責に加入し、交付手数料を収入印紙で支払います。回送運行を5年で許可を受けていれば、自賠責と手数料も5年分となります。この貸与申請が決裁されればナンバーの貸与を受けることができます。
貸与されたナンバーは適切に運用できるよう、管理を徹底しなくてはなりません。