市街化調整区域と営業所

運送業の営業所を設置する際に問題になる事のひとつに「市街化調整区域には原則として営業所を置けない」というものがあります。
市街化調整区域とは「市街化を抑制すべき区域」とされるもので、ここに新たに建物を建てたり増築したりすることは極力抑える、という地域です。
運送業の営業所は、都市計画法やその他の法令に抵触しないことが前提となるため、そこをクリアしなければなりません。

市街化調整区域でも実際に建物は建っているし、建築済の建物をそのまま使うのなら良いのでは?と考える方もいらっしゃるのですが、なかなか単純にはいきません。建物を建てるときに建築許可などを取ったものであっても、その許可が「対象者が誰」で「どのような用途」で取ったのかによるため、営業所には使えないケースも多いのです。例えば「住居用」に建てられた建物は事業用には使うことができません。

上記で「原則として営業所を置けない」と書きましたが、原則があれば例外もあります。以下に営業所を設置できるケースを説明していきます。

 

既存宅地

土地の登記簿謄本を見ると「地目」という欄があります。この地目が宅地であれば建物は建てられる土地という事になるのですが、市街化調整区域に運送業の営業所を設置しようという場合には、これだけでは不十分です。
その土地が「都市計画法により市街化調整区域に指定される前から」宅地である場合や実際に建物が建っていた場合、これは「既存宅地」と判断されます。

線引き(都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分すること)の日は市町村によって異なります。例えば静岡県(旧)浜松市は昭和47年1月11日が線引きの日です。この日より前から地目が宅地であった土地は既存宅地です。

既存宅地の建物は事業用に使えるのですが、建築できる建築物というものが決まっており、無条件に建てられるというものではありません。運送業で使えそうなものとしては、事務所兼用住宅があります。これは住居と事務所の用途を兼ねるもので、非住宅部分の床面積が50㎡以下かつ建築物の延べ床面積の2分の1未満のもの、という条件が付きます。

 

大規模な流通施設

地域によって扱いが異なりますが「大規模な流通施設」であることの認定を受けて開発許可を取る方法があります。

以下、要件(概略)の一例です。
・立地要件として、インターチェンジの出入口から1km以内、または指定の路線沿い。
・一般貨物運送事業者または倉庫業者で、一定量以上の荷物取扱いがある大規模な流通業務施設であることの認定を受けたもの。
・敷地面積が2,000㎡以上
・前面道路幅員が有効6.5m以上(敷地面積10,000㎡未満の場合)
など

これを、市の都市計画課に類する部署および運輸局と調整しながら、開発許可を進めていきます。

 

トレーラーハウス

建物が建てられないのなら、建物でないところに営業所を設置してしまおう、というのがトレーラーハウスを活用した方法です。(こちらも地域によって扱いが異なります。)
トレーラーハウスは建築物に当たりませんので建築基準法にも抵触しません。
尚、自治体と折衝が必要な事項が色々とあるため、トレーラーハウス協会を絡めて進めていく方法が現実的です。

 

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